So-net無料ブログ作成
  • ブログをはじめる
  • ログイン

読書を楽しむ「澤田瞳子 秋萩の散る」

038.JPG                                                阿部女帝(孝謙天皇)に寵愛され高職についた道鏡が女帝の死から                                      ひと月余りしか経たぬにもかかわらずすべての職を剥奪され                                   下野国薬師寺別当に任じられた                                                   このとき道鏡は70歳の坂を超えていた                                                    
遠い京からはるばるやってきて、日がな一日を空を見上げて道鏡は過ごしていた。                                     「わしはいったい、何のためにここにいるのであろうと」。                                                           やるかたない気分に襲われていた。                                                     亡き女帝を敬愛していた道鏡と女帝に出会わなければ看病禅師として生涯を                                          終えられたはずの道鏡がいた。                                                         女帝は平凡に生きることだけを望んでいた自分の人生を歪め、今なおこの心を                                        とらえ続けていた。                                                               そんな時に老僧の行信と出会い、心を弄ばれた。                                                          行信は「京の者たちを呪い殺そう」と話を持ちかけてきた。                                                          しかし道鏡は美しい過去の思い出が一かけらでもあれば、これからも自分は                                  生きていけると空を仰いだ。                                                         歳を取ったら過去のことに恨みなどない、美しい思い出がひとつあれば                                     それだけで生きていける。                                                                   


共通テーマ: