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読書を楽しむ「絲山秋子 沖で待つ」

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同期入社の男女二人の腐れ縁
会社の中で育まれる信頼と友情

及川(女性)と牧原太(太っちゃん)は、大学を出て住宅設備機器メーカーに
就職した同期でした。

<物語のはじまり
及川は埼玉営業所から浜松への転勤が決まり目黒の友達に送別会をやって
もらって友人の家に泊まり、五反田へ行き太っちゃんのマンションへ行きました。
ドアには鍵がかかっておらず開きました。
住人の太っちゃんは3ヶ月前に死んでいました。

<回想
及川と太っちゃんは福岡へ配属になりました。営業職です。
特約店や設計事務所やクレーム現場に出向き打ち合わせやクレーム対応を
していました。
営業所には事務職のベテランの女性井口さんがいて太っちゃんは彼女と
結婚しました。
井口さんはこどもができて会社を辞めました。
及川も埼玉営業所へ転勤になりました。
及川と太っちゃんが次に会ったのは数年後太っちゃんが東京へ転勤になり
妻子は福岡に残し単身赴任でした。
ふたりは居酒屋で再会し、太っちゃんは及川に自分の秘密の処理を死んだら
お願いと頼みます。
彼の秘密はパソコンのハードディスクのデータでした。
太っちゃんはハードディスクを破壊するためのドライバーと部屋の鍵を及川に
送りました。

次の及川が太っちゃんのことを聞いたのは彼の訃報でした。
出勤しようとしてマンションを出たときにひとが降ってきて太っちゃんに当たり
頭を路面に打って即死でした。
及川は、太っちゃんのマンションへ行き、ハードディスクを破壊します。

及川はお葬式から3週間が過ぎたときに福岡へ行き、井口さんの実家を
訪れます。
そこで、及川は井口さんから太っちゃんが大学ノートに詩を書いていたことを
知らされ見せられます。
そこにはヘタクソな詩がたくさん書かれていて、これこそひとに見られたく
ない秘密じゃないかと思いながら及川は馬鹿野郎と思っていました。

<五反田のマンション
太っちゃんが及川に話しかけます。
家にノートを忘れたのは迂闊だったと。
他人にはわかってもらえないふたりの信頼と友情が会話されます。

同期入社のひととひととの儚い関係。
なんとなく恋愛対象でもなく、でも気が合う相手。
短編でしたが楽しく読むことができました。

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