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読書を楽しむ「中上 紀 天狗の回路」

DSC02134.JPG                                   寝物語で父が自分は天狗だから、どこでも飛んでいける                                               東京で地震があった時は、熊野の山の神に頼まれて                                  様子を見にいったが一面の火の海で                                    風が吹いて熊野のほうへ押し返されたと言った                                    家に帰ると家の前に赤子が置き去りにされていた                              綾は南アジア出身の男と国際結婚していた。                                       夫は早朝4時からパン工場で働いている。                                              国際結婚している日本人の妻たちが作っている掲示板にひきつけられて見ていた。                          悩みは内面的なことが多かった。                                                夫は兄弟が多いので本国にある実家の収入は他国で暮らす兄弟からの仕送りが                                 頼りだった。                                                 夫は来日して十何年になるが育児ができず、言葉がダメで、家事全般すべて妻に                         任せ切りだった。もう文句を言っても無駄だった。父親の役目も果たしていなかった。                        ある日、腹違いの従姉妹・美貴からSNSでメッセージが届く。                                     美貴の祖父は零次郎といい、綾の父方の祖母ソノと内縁の夫婦関係だった。                       ソノは妊娠していた。                                                 零次郎は復員して、闇市で商売を始め儲かり、博打も好きだった。                                  零次郎が賭博と傷害で刑務所に入る出来事があった。                                          そのとき、零次郎にはソノ以外に二人の女がいて、二人とも妊娠していた。                               ソノは零次郎に見切りをつけてこどもを産んだ。                                   零次郎は妊娠させた女のひとり美貴の祖母と結婚した。                                    美貴から綾の知らない彼女の血族の物語が語られ美貴の祖母の父                                    あるいは祖母の祖父は遡ると天狗だったということになる。                                    どうしょうもない男どもがいて、どうにもできない女たちがいて、                             長男の顔を見ると父親そっくりで、女たちは言う                                 「養ってくれないなら父じゃない」と。                                         作者はこういうことが言いたいのだろうと思っている。                                                                        


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