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読書を楽しむ「東 直子 長崎くんの指」

DSC01622.JPG                                     なめらかなほの白い皮膚に覆われたその指は                                      すっきりと細く、すんなりと長く                                            すべて適度にふくらんでいる節の几帳面さがたまらなかった                                       まさに知的で、完璧な指だった                                         その指の持ち主は長崎くんという青年だった                                                    わたしは、銀行員をしていた。                                                    勤務先が自宅から遠いため、早朝から深夜まで忙しく働いた。                                       ある日、ストレスから金庫番を任されたときに札束を3つ身体に隠して                                    自宅に帰った。                                                          そして、バレル前に逃げるしかないと考え電車に飛び乗った。                                             電車に乗り、バスに乗り、人寂しい山にある遊園地に辿り着いた。                                       遊園地は閑散として、職員もやる気がなさそうだった。                                          「職員募集中」の張り紙を見つけ仕事がしたいと事務所に申し出た。                                         ところが住所が決まっていないため採用できないと園長に言われたとき、                                    長崎くんが園長を説き伏せて採用された。園内に職員用の仮眠小屋があり、                                   ベッドとトイレとシャワーがついていた。ここに住むことになった。                                   そのとき、わたしは長崎くんの指に一目惚れした。                                          これは恋愛小説ではない。                                                           銀行員だったわたしが解放されたらこうなったという物語で                                        逃亡者になったわたしの未来はケセラセラ。


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