So-net無料ブログ作成
検索選択

読書を楽しむ「恩田 陸 蜜蜂と遠雷」

DSC00162.JPG

音楽は漢字で「音を楽しむ」と書く
ピアノコンクールという舞台に出場した
演奏者の曲を作者は文字で表現し
読者に伝えている
蜜蜂の羽音
トタン屋根の上で刻む雨のリズム
人々の足音など世界は音楽に満ちている
この世界において競い合うということは
そこに演奏者が独自の世界観を持ち
観衆が演奏者と同じ風景を見ることができなければ
一緒に楽しむことはできない
ただ単に技術の習得だけでは審査員を飽きさせる
審査員を怒らせ、もう一度聴きたいと思わせるような
ものであって欲しいと思っている

ピアノコンクールに縁はないが
文字から伝わってくる音楽は審査結果より
音楽を楽しむ、もうひとつのものの見方を
教えてもらった気がする。
明日からは散歩の中で音楽が聴けたらいいなぁと
思っている。
読み終わって疲労感と達成感を得た。
次のお楽しみまで、また一年待たなければならない。

■4/23 目次「本選」を読んだ

■4/21-22 目次「第二次予選」「第三次予選」を読んだ

三日間に亘る第二次予選がはじまった。
演奏時間は40分以内。
演奏プログラムの中に宮澤賢治の詩をモチーフにした「春と修羅」を組み込む
条件になっていた。
アメリカ代表ジェニファ・チャンの演奏に亜夜は首をかしげた。
ダイナミックでドラマティックであるが感動がなかった。
亜夜はチャンの演奏をアトラクションだと言った。マサルも同じことを言った。
高島明石は「春と修羅」のために岩手に出かけ自分のメロディをつくった。
岩手の風景を感じながらピアノを弾き、泣き顔の妻の顔を見た。
風間塵は会場の隅っこで演奏に聴き入っていた。
塵は先生の教え、世界は音楽に溢れている。溢れている音楽を聴ける者だけが
自分の音楽をも生み出せると言われていたが耳に届かずに過ぎてしまうものも
あった。先生は塵に音楽を外へ連れ出せと言っていた。
塵は、高島明石の演奏に緑色の畑みたいなものを見ていた。
審査員も夕食の時間に風間塵を話題にしていた。
二次予選二日目。マサルは「春と修羅」のイメージを「余白」を表現することだ
と見定めた。
亜夜はマサルの演奏を聴いて鳥肌が立ち、闇がー宇宙が見えると感嘆した。
亜夜と塵は芳ケ江でピアノ教室を開いている担当教授の教室を借りて一緒に
練習をした。
亜夜はピアノを弾きながら教室の天井を突き抜けて空に浮かぶ月を見ていた。

■4/20 2番目の目次「第一次予選」を読んだ

芳ケ江国際ピアノコンクールの第一次予選は、5日間行なわれ100名近い
コンテスタントが演奏する。
作者が長い年月をかけた作品だけあり、言葉の表現に読書人として新鮮さを感じた。
ピアノコンクールという世界に引きずり込まれていく。

舞台袖で演奏順を決める1番クジを引いたコンテスタントがため息をついていた。
トップバッターはすべての「基準」になるため不利な順番と言われていた。
第一次予選の演奏時間は20分。3つの課題を20分に収めなければならない。
そして、総勢13名の審査員が採点している。

日系三世のマサルは、観客のおしゃべりに耳を傾けていた。
アメリカ代表ジェニファ・チャンやマサル、蜜蜂王子こと風間塵の名が出ていた。

ジェニファ・チャンは、グランドピアノを特別仕様のベンツに見立て、見事なハンドル
さばきで乗り回しているという超絶技巧をみせていた。
一次予選初日、最後の演奏者は高島明石だった。応援にきた妻は曲が終わり
あたしは音楽家の妻だと心の中で呟いた。審査員の感想も良かった。

一次予選2日目。
優勝候補のマサルが登場。
鍵盤を撫でるように弾き始めた。観衆の心をつかんだまま思うように引きずり回した。
栄伝亜夜は興奮して拍手をした。
高島明石も座席から立ち上がれないほど圧倒されていた。

一次予選最終日。
風間塵は調律師にピアノの位置を30センチずらしてもらった。
演奏が始まり、天から音が降ってくるくるように音が立体的だった。
観衆は固唾を飲み圧倒されていた。
マサルは風間がピアノに手が触れる前から鳴っているような錯覚に舌を巻いた。
風間の演奏は審査員に恐慌をもたらし、反応はまっぷたつに割れた。
栄伝亜夜は風間が音楽の神様に愛されてるようだと思った。
栄伝亜夜はかって天才少女と言われ、早くから演奏活動をしていたこともあり客席は
満杯だった。
彼女が引き始めた途端、会場全体が覚醒した。

人気のない大ホールの廊下で栄伝亜夜はマサルに声をかけられた。
日系三世のマサルは5歳から7歳まで日本に住んでいた。
小学生のとき学校は違ったがふたりはピアノのレッスンで知り合いだった。
ふたりはお互いを天才だと言い合った。
100名近いコンテスタントのうち約四分の三が落とされる。
審査委員長のオリガが二次予選に残ったコンテスタントを発表した。
次々と名前が呼ばれ、高島明石、マサル・カルロス・レヴィ・アナドル、風間塵
栄伝亜夜を含む24名が合格した。
風間塵の採点は○と×にはっきり分かれたが合格した。

読んでいると手に汗を握る迫力があった。

■4/19最初の目次「エントリー」を読んだ

2017年の本屋大賞受賞作品。
当初、予想がしていなかったが大賞を受賞した。
読むと引き込まれる。
蜜蜂の羽音や雨音で音楽を楽しむ男女が出てきた
ひとと違う何かがなければコンクールには出られないということだ。

世界の5ケ所でピアノコンクールのオーディションが行われている。
パリのオーディション会場では業界で毒舌でならした3人が審査員をしていた。
オーディションを受ける人数は25人。
14人目で審査員の気になる人物が見当たらず退屈していた。
残り5人となったときに審査員に配られた書類に学歴も、コンクール歴もない
ジン カザマという16歳がいた。

栄伝亜夜は13歳のその日まで内外のジュニアのコンクールを制覇しCDデビューも
果たしていたが母親を亡くして、彼女はステージをドタキャンした。
大学進学を考えなければならないときに名門私立大学の学長が彼女を訪問し、うち
の大学を受けてくれと言ってきた。
20歳を迎えた時にピアノコンクールへの出場を依頼された。

高島明石は28歳。ピアノのコンクールに出かれる規定ギリギリの年齢だった。
明石は結婚していて楽器店の店員をしていた。
祖母にグランドピアノを買ってもらい、ピアノを弾いて、音大まで進んだ。

国際ピアノコンクールのオープニングナイトでピアニストのナサニエルがペルーの
日系三世のマサルを連れてきた。
日本の地方自治体のピアノコンクールで最高点を集めたが、難癖をつけられ失格
扱いになった青年だった。

コンクールには、気になる人物たちがやってきた。
次の目次「第一次予選」は明日のお楽しみです。