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読書を楽しむ「高橋弘希 スイミングスクール」

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母と娘の物語
母と早苗
早苗とひなた

久保田早苗の実家は埼玉の深谷にあり、祖父が建てた家でした。
祖父は50歳で亡くなり、祖母は早苗が保育園に入る頃に亡くなりました。
早苗が物心つく頃に母が離婚し母と二人で過ごしました。
母は、大手旅行会社で正社員として働き、離婚した夫からの養育費や
祖父の保険金があり、恵まれた環境にありました。

早苗は短大に入学し実家を出て日野のマンションでひとり暮らしをはじめ
弁当屋でアルバイトをし、そこで同じくバイトで働いていた鈴村と結婚し
三鷹にマンションを借りました。

母は、ひとりになってから仕事を辞めて、近所の100円ショップでパートを
していました。
早苗が結婚して4年が過ぎた頃、母は大雨の降った翌日、自宅から2キロも
離れた街はずれの側溝で横たわっていたのを発見され、病院に収容されました
が死亡しました。寝間着姿で発見され認知症による徘徊だと診断されました。

不動産屋から深谷の実家を買い取りたいという電話があり売ることにしました。
この頃、早苗は千葉ニュータウンの分譲住宅に申し込みをしていて引越す時期
でした。

早苗は産婦人科の医師から不妊症の疑いもあると言われ体調を崩した。
そんなとき、ホームセンターのペットショップで生後半年のシーズーを買いました。
子犬に胡桃という名を付けました。
犬を飼ったことで早苗は体調を取り戻し、胎内に生命を宿しひなたが生まれた。

ひなたは水たまりの中に空があるよと早苗に教えますが、早苗にはただの淀みに
しか見えません。
早苗もその昔、母に水たまりを覗くと早苗と空が映るのといい、詩人さんみたいと
母に言われていました。

ひなたはスイミングスクールに通いたいといいました。
早苗も昔、母が思い立ったようにスイミングスクールに連れて行き、翌週には
突然スイミングスクールを辞めさせられ、学習塾へ通わされました。

早苗は、母と夏の日に喧嘩して、頬を殴られ、本当はあんたのこと堕ろす
つもりだったと漏らした。
ひなたは2歳を過ぎた頃に夜泣きをはじめベットの上で泣き止まずにいました。
早苗は育児で心身が消耗して抱こうともせず「ざまぁみろ」と囁きました。

母に育てられた娘が母親になり、娘を授かり、母と同じようなことをふとして
いると考えている。
昭和の時代には、知る限りこんなことはなかったと思っているが最近の作家が
このような物語を書くということは世間は必ずしも幸せではないということになる。
スイミングスクールという題名も、水が人生で、人生は冷たいといいたいのか。


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