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読書を楽しむ「西村 健 バスを待つ男」

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男は警視庁を定年退職した仕事人間だった
一日をどう過ごしてよいものやら
途方に暮れていた

夫婦はずっと以前、一人娘を交通事故で亡くしていた。
小学校4年生だった。
学校の帰り道で歩道に突っ込んできたトラックに轢かれた。
男は、捜査に打ち込むことで悲しみを紛らわせていたが、妻はひとり
寂しく、娘を失った喪失感からなにもできず放心していた。
しかし、妻はいつまでも悲しんでいては娘に合わせる顔がないと趣味の
料理に打ち込み、お裾分けした料理が評判になり、週に1度我が家で
料理教室を開いている。

男は図書館へ行ってみたりしてが自分に合う本がなく、公園でぼんやり
過ごすことが多くなった。
妻は夫が70になったので東京都シルバーパスを使って、あちこち足を
伸ばしてみてはと提案した。
シルバーパスを購入し、我が家から一番近い最寄りの駅が錦糸町だった
ので、そこからバスに乗ることにした。
大塚駅行のバスがあり、事件の捜査で歩き回ったこともありそのバスに
乗った。
大塚駅前には、捜査の後で一杯飲んで居酒屋もあり、男は楽しみを見つけた。

平井駅前の停留所でベンチに腰を下ろして、同じ時刻にバスを待っている
白髪の男を何回も見つけた。
男はバスには乗らなかった。
妻にこの話をすると妻の推理が何もかも正しかったことが判明した。

という表題作「バスを待つ男」のほか、王子稲荷の鳥居の両側に狐がいて
左右とも子狐を伴っていたが右側の子狐だけ、白い前掛けを毎日ではなく
日によってつけたりつけなかったりしていた。
妻にこの話をすると前掛けはメッセージだといった。

夫がバスに乗り、元捜査員のカンで疑問に感じたことを妻に話すと妻が推理
をして、その理由を見事に的中させるというストーリーで楽しめました。

ショッピングモールにいた中学生は私服だったがバスに乗る時は制服に着替えて
いた理由は?

警視庁時代の同僚の先祖の墓が多磨霊園にあり、そこには未解決事件の被害者の
妻も眠っていた。
同僚に言われた行き方でバスに乗ったら迷ってしまった。何故だ?

品川で若い白人男性が仲間と連れ立って団子を買いに来ていたが、来るたびに
仲間の数が減っていた。
その白人は、あちこちで団子を買っていた。
男はその理由が知りたかった。

雑司が谷へ出かけた男は、そこが鬼を呼ぶ街と言われていたことを思い出した。
昔、連続殺人事件の犯人が5人目の犠牲者を手にかけ逃げたときに、うら若き
女性と鉢合わせしたが犯人は女性を殺さずに逃げた。
なぜ逃げたか?

新感覚の新鮮さを感じた。バス旅ミステリーとして読むとおもしろい。


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